Japanese
English
特集 細胞接着
細胞-基質間接着の構造
Structure of the Focal Adhesion
藤原 敬己
1
,
神宮司 洋一
1
,
増田 道隆
1
Keigi Fujiwara
1
,
Yoichi Jinguji
1
,
Michitaka Masuda
1
1国立循環器病センター研究所循環器形態部
pp.349-356
発行日 1993年8月15日
Published Date 1993/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900582
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本特集の構成からわかるように,細胞接着は細胞と細胞の間にできるもの(細胞間接着)と,細胞と基質の間にできるもの(細胞基質間接着)の2種類に大別できる。腸などに見られる単層円柱上皮を例にとると,前者のタイプは細胞側面にできる上皮細胞間の接着で,後者は細胞底面にできる細胞と基底膜間の接着である。本稿のテーマは細胞基質間接着の構造についてであるが,この種の接着でその構造がはっきりしているものには,ヘミデスモソームとfocal adhesion(接着斑)がある。前者については,この特集の別稿を読んでいただくこととし,ここでは後者について解説する。
本稿ではまず培養細胞にできる接着斑の超微形態や分子モデルについて述べ,次に内皮組織を形成している(すなわち生体内にあり培養条件下にあるのではない)内皮細胞の接着斑についてのわれわれの研究を紹介する。このような培養細胞と生体内の細胞のデータの比較から,われわれは両者における細胞基質間接着のメカニズムは,基本的には同じであると考えている。できるだけ簡潔にするため,例外や特殊条件下でのみおこることなどは除いたが,接着斑の本質的なことは,ごく最近の情報も含めて,おさえているつもりである。
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