特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅲ.間葉系細胞株
白血球系細胞
単球・マクロファージ
マウス:J774.1
坂上 宏
1
1昭和大学医学部第一生化学教室
pp.485
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900471
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■樹立の経緯
J774細胞は,プラズマ細胞腫(plasmacytoma)の誘導計画期間中に,雌のBALB/c/NIHマウスに自然発生した腫瘍をもとにRalphらにより樹立された。解剖の結果,肝臓,リンパ節,子宮,卵巣と肺に転移が見られた。皮下に移植した腫瘍は,移植部位あるいは末梢血には見出されず,肝臓に転移していた。マウス腹腔内で継代したJ774A(J774 ascites)より培養液中で成育できるクローンJ774.1細胞が樹立された1)。この細胞は,形態学的には,細綱肉腫(type A reticulum cell sarcoma)と同一であり,一般的な分類では,組織球性リンパ腫(histiocytic lymphoma)に属する。
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