特集 〈研究室で役に立つ細胞株〉
Ⅲ.間葉系細胞株
白血球系細胞
単球・マクロファージ
ヒト組織球性リンパ腫:U-937
簑和田 潤
1
1林原生物化学研究所・藤崎細胞センター
pp.480
発行日 1992年10月15日
Published Date 1992/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900466
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■樹立の経緯
1974年,37歳男子のdiffuse histiocytic lymphomaの腫瘍性胸水約1,000mlから遠心沈殿により分離した細胞を用いた。初期の培養は細胞を器官培養のグリッド上に沈着せしめ,ペトリ皿の中でHamの培地F-10と10%新生児子ウシ血清,100u/ml penicillin,50μg/ml streptomycin,1.25μg/ml amphotericin Bを含む培養液中で,5%CO2,37℃で行った。さらにこの初期の培養は,adultのallogenic skin fibroblastのfeeder培養細胞とともに培養するか,またはグリア細胞株,U-787CG,肉腫細胞株,U-2OSの培養液の添加を腫瘍細胞増殖に必要とした。培養の目的は,ヒト白血病細胞株の研究成果が多大の貢献をしているが,ヒトリンパ腫の培養株はごく限られていた。そこでDr. Nilsson(Uppsala,Sweden)らが,リンパ腫細胞株の樹立を試みた。このリンパ腫培養は,feeder培養細胞の存在下約7週間で樹立された1)。継代培養は,浮遊細胞でエレンマイヤーフラスコまたはペトリ皿で行った。
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