Japanese
English
特集 細胞活動の日周リズム
副腎髄質へのアミン取り込みの日周リズム
Circadian rhythm of amine uptake in adrenal chromaffin cells
平野 鉄雄
1
,
永井 克也
2
,
板東 武彦
1
,
中川 八郎
2
Tetsuo Hirano
1
,
Katsuya Nagai
2
,
Takehiko Bando
1
,
Hachiro Nakagawa
2
1新潟大学医学部生理学第一教室
2大阪大学蛋白質研究所代謝部門
pp.600-603
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900298
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視床下部―下垂体―副腎皮質系の活動に日周リズムが存在することはよく知られているが,交感神経―副腎髄質系の日周リズムについての報告はそれほど多くない。血中アドレナリンは,ヒトで夜間に高値を示すが,ノルアドレナリンは日周リズムを示さない1)。血中のドパミンβ-水酸化酵素(DBH)は,交感神経終末からノルアドレナリンとともにexocytosisで血中に放出される2)。このDBHを交感神経活動の指標として,その日内変動を調べた報告によると,ヒトでは午後3時ころに単一のpeakを示す3,4)。これは活動期の後半に,交感神経活動が高まっていることを示している。
そこで,副腎髄質細胞の機能に日周リズムが存在するかどうかであるが,副腎髄質細胞はチロシンやフェニールアラニンを材料として取り込み,チロシン水酸化酵素(TH),ドパ脱炭酸酵素(DDC),DBH,フェニルエチルアミンN-メチル転移酵素(PNMT)により,ドパミン,ノルアドレナリン,アドレナリンの順で合成される。合成されたこれらのカテコールアミンは,クロム親和果粒に貯蔵される。節前線維終末から放出されたアセチルコリンにより髄質細胞が脱分極され,Caイオンが流入すると開口分泌により放出される。放出されたカテコールアミンは交感神経節後終末や副腎髄質細胞自体に取り込まれ,またモノアミン酸化酵素(MAO),カテコール-O-メチル転移酵素(COMT)によって不活性化される。
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