Japanese
English
特集 細胞活動の日周リズム
分離松果体細胞の日周リズム
Circadian rhythm in dispersed pineal cells
村上 昇
1
,
黒田 治門
1
,
江藤 禎一
1
Noboru Murakami
1
,
Haruto Kruoda
1
,
Teiichi Etoh
1
1宮崎大学農学部家畜生理
pp.585-588
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900295
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多くの生物は地球の自転にほぼ等しい約24時間の周期を持つ生物時計を有し,生体の諸機能の周期性と調和を維持している。自然界においては通常このリズムは昼夜の変化に同調し,昼に活動する昼行性動物と夜に活動する夜行性動物などに分かれる。これまでの研究を通じて,この生物時計は一部の例外を除いては,鳥類では松果体に哺乳動物では視交叉上核に局在すると考えられている1)。事実,この両者の器官を生体から切り放し細胞に分離しても,培養下においてこの細胞から分泌されるホルモンはおよそ24時間のリズムを継続する2,3)。このことは,分離された細胞中に時計の発振機構が保持されていることを示している。ここ数年の間に,これらの細胞を用いた時計機構の解析が試みられるようになってきた。本稿ではトリの松果体細胞での時計機構に関わる最近の知見を紹介する。
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