特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
2.エイコサノイド
カンナビノイド受容体
杉浦 隆之
1
,
和久 敬蔵
1
Takayuki Sugiura
1
,
Keizo Waku
1
1帝京大学薬学部衛生化学教室
pp.468-470
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901253
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[ファミリー]カンナビノイド受容体は7回膜貫通・G蛋白質共役型の受容体である。その中の一つCB1受容体と,リゾホスファチジン酸(LPA)受容体の一つ(vzg-1あるいはedg-2遺伝子産物)1)との間には30%の,メラニン細胞刺激ホルモン受容体との間には32%の相同性(アミノ酸)がある。
[サブタイプ]カンナビノイド受容体として最初にクローニングされたのはCB1受容体である。CB1受容体は7回膜貫通・G蛋白質共役型の受容体としてラット大脳皮質cDNAライブラリーからクローニングされ,当初はそのリガンドが不明であったものである。脳内での分布,CHO-K1細胞における発現実験などから,1990年にカンナビノイド受容体であることが明らかにされた。ラットのCB1受容体は473個のアミノ酸から構成されており,いくつかの糖鎖結合部位がある。CB1受容体遺伝子はヒトでは第6染色体上に存在する。一方,1993年にはHL-60細胞のcDNAライブラリーから,主として脾臓などに存在するカンナビノイド受容体としてCB2受容体がクローニングされた。ヒトCB1受容体とCB2受容体のアミノ酸配列の相同性は44%であるが,膜貫通部分に関しては68%の相同性がある。
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