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連載講座 新しい観点からみた器官
線維芽細胞による非炎症性,非免疫性の,静かな生体防御反応
Non-inflammatory and non-immunological defense reaction by fibroblasts
藤田 尚男
1
Hisao Fujita
1
1大阪大学医学部解剖学教室
pp.211-218
発行日 1990年6月15日
Published Date 1990/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900037
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線維芽細胞(fibroblast)には,毒性のない,消化し得ない,しかし捨て場に困る小さい異物を,細胞体や突起の中にどっさり取り込み,炎症や免疫反応を起こすことなく,ほとんど動くことなく,永久にその位置に留まる性質がある。私はこれを「線維芽細胞による非炎症性,非免疫性の,静かな生体防御反応(non-inflammatory and non-immunological defense reaction by fibroblasts)」と呼んでいる1-3)。その典型的な例が,いれずみ(刺青)(tattoo)である。この現象について解説してみたい。方法はまったく古典的であるが,ある程度の示唆は含んでいよう。なお念のために,線維芽細胞と大食細胞(macrophages)とは,まったく別種の細胞であることを付け加えておきたい。
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