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近年,生命科学・医科学研究の分野においては,マルチオミクス解析,分子/生体イメージング,ゲノム編集技術を活用したモデル動物作製,生体試料バンク,データ/情報科学の導入などに代表される,新たな解析技術や手法が急速に発展すると共に,先端的研究に必要な解析機器も高度化・大型化しており,研究者が個々人で,これらのすべてに対応することが困難な状況が生まれています。このような状況を打開し,わが国の生命科学研究を強力に推進するため,令和4年度から新たに学術変革領域研究「学術研究支援基盤形成」が創設されました。これは,文部科学省・日本学術振興会の科学研究費助成事業で実施している研究課題に対し,先進的な技術支援やリソース支援などを行って,個々の研究を強力にサポートすると共に,研究者間の異分野連携や若手研究者の育成を一体的に推進して,日本全体の学術研究の発展に資することを目的とした制度です。
研究者の多様なニーズに効果的に対応して前述の目標を実現するため,全国の大学共同利用機関,共同利用・共同研究拠点を中核とする関係機関(54大学,23研究機関)が緊密に連携して4つの支援プラットフォーム(PF),すなわち,先端バイオイメージング支援PF,先端モデル動物支援PF,コホート・生体試料支援PF,先進ゲノム解析研究推進PFを構築し,広範な領域を網羅する多彩な支援機能を提供しています。本事業の前身は,文部科学省・新学術領域研究「生命科学系3分野(がん,ゲノム,脳)支援活動(平成22-27年度)」および新学術領域研究「学術研究支援基盤形成(平成28-令和3年度)」であり,これらを更に発展・強化する形で全国規模の支援グループが組織され,一体となって本事業に取り組んでいます。更に,4つのPF全体を統括する総括班組織として「生命科学連携推進協議会」を立ち上げ,各PF間の緊密な連携と本事業全体の効率的な運営を実現すると共に,先端的研究に伴う倫理的・法的・社会的課題(ELSI)に対する支援や国民に向けた広報・アウトリーチ活動も実施しています。
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