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特集 がん遺伝子の発見は現代医療を進歩させたか
Ⅰ.がん遺伝子研究の新しい展開
RAS遺伝子を中心としたがん治療戦略の確立
The recent effort of establishing cancer treatment strategies targeting RAS
田中 伯享
1
,
坂本 毅治
1
Tanaka Noritaka
1
,
Sakamoto Takeharu
1
1関西医科大学附属生命医学研究所がん生物学部門
キーワード:
RAS
,
獲得耐性
,
KRAS阻害剤
,
腫瘍免疫
Keyword:
RAS
,
獲得耐性
,
KRAS阻害剤
,
腫瘍免疫
pp.289-294
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201695
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主に3種類のアイソフォーム(KRAS,NRAS,HRAS)で構成されるRASのうち,HRASに次いでKRASが初のがん遺伝子として同定された。RASは各がんにおける遺伝子変異の頻度の高さから,がん遺伝子の親玉とも言える遺伝子でありながらも長らくRASを直接標的としたがんの治療戦略の確立は困難とされてきた。2013年に初のKRASG12C選択的な阻害剤が発表されて以来,同阻害剤の開発研究が活発化している。本稿では,簡略ながら近年活発化しているRAS,特にKRAS遺伝子を中心としたがん治療に向けたアプローチについて概説したい。
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