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実験講座
近位依存性ビオチン標識技術を用いた空間的プロテオームの解読
Deciphering the spatial proteome by proximal-dependent labeling
髙野 哲也
1,2
Takano Tetsuya
1,2
1慶應義塾大学医学部生理学(神経生理)教室
2科学技術振興機構さきがけ
キーワード:
近依存性ビオチン標識
,
BioID
,
TurboID
,
Split-TurboID
,
シナプス
Keyword:
近依存性ビオチン標識
,
BioID
,
TurboID
,
Split-TurboID
,
シナプス
pp.180-187
発行日 2023年4月15日
Published Date 2023/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201668
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近位依存性ビオチン標識(proximity labeling;PL)技術は,標的タンパク質の近接タンパク質成分を標識し網羅的に解析する技術である。このPL技術は,従来の解析技術と比較して非常に高い検出能と空間解像度でタンパク質成分を解析できることから,近年ますます注目されている。本稿では,このPL技術を利用したタンパク質間相互作用,タンパク質-核酸相互作用,オルガネラ,コンパートメントのプロテオーム解析についての最前線を解説する。
更に近年では,PL技術を発展させた空間的プロテオーム解析技術TurboID-surfaceとSplit- TurboIDが登場した。これらの技術により,生体組織から特定の細胞間相互作用を標的にした空間的プロテオームデータの取得が可能となり,生体内での細胞間コミュニケーションの新たな役割が見え始めている。本稿では,これらの筆者らが開発した脳内の空間的プロテオーム解析技術について最新の知見も紹介する。
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