Japanese
English
特集 DNA修復による生体恒常性の維持
Ⅰ.DNA修復の分子メカニズム
ヌクレオチド除去修復反応の翻訳後修飾による高次調節
Post-translational regulation of nucleotide excision repair
若杉 光生
1
,
松永 司
1
Wakasugi Mitsuo
1
,
Matsunaga Tsukasa
1
1金沢大学医薬保健研究域薬学系
キーワード:
ヌクレオチド除去修復
,
翻訳後修飾
,
ユビキチン化
,
SUMO化
,
ポリADP-リボシル化
,
アセチル化
,
リン酸化
Keyword:
ヌクレオチド除去修復
,
翻訳後修飾
,
ユビキチン化
,
SUMO化
,
ポリADP-リボシル化
,
アセチル化
,
リン酸化
pp.105-109
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201478
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質量分析技術の発展と普及により,DNA修復研究においてもタンパク質の翻訳後修飾の解析が著しく進展し,多様な翻訳後修飾による調節とその重要性が明らかにされつつある。ヌクレオチド除去修復(nucleotide excision repair;NER)は,紫外線,環境変異原物質,あるいは活性酸素などにより生じる多様なDNA損傷に対応できる重要なDNA修復機構である。NERの基本反応は多段階から成り,DNA損傷の認識に引き続き,DNA損傷付近の巻き戻し,DNA損傷の両側での切断によりDNA損傷を含む約30ヌクレオチドが切り出され,生じたギャップをDNAポリメラーゼが埋め,最後にDNAリガーゼがDNA鎖を再連結することで完了する(図)。
本稿では,転写と共役しないゲノム全体のNER経路に関与する翻訳後修飾に焦点を当て,現在までの解析で明らかにされてきたNERタンパク質の各種修飾反応とその意義(表)について概説する。
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