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特集 生物物理学の進歩—生命現象の定量的理解へ向けて
Ⅱ.細胞レベル
細胞内蛍光単分子イメージングによるミオシン張力依存的なアクチン線維安定化の証明
Verification of force regulation of actin turnover using a high-precision single-molecule imaging
山城 佐和子
1
,
渡邊 直樹
1
Yamashiro Sawako
1
,
Watanabe Naoki
1
1京都大学大学院生命科学研究科分子動態生理学分野
キーワード:
蛍光単分子スペックル顕微鏡
,
アクチン
,
ミオシン
,
細胞内流動
,
定量イメージング
Keyword:
蛍光単分子スペックル顕微鏡
,
アクチン
,
ミオシン
,
細胞内流動
,
定量イメージング
pp.234-238
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201354
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アクチン細胞骨格は,速やかに崩壊・再編成される動的な構造体であり,その特性は細胞骨格が機能を果たすために重要である。アクチンダイナミクスの主要な現象は,アクチン線維の形成(重合),崩壊(脱重合),安定化であり,細胞内では多様なアクチン調節因子により調節されている。近年,アクチン線維に力が負荷されると線維の安定性が変化することが報告されており,アクチン線維がメカノセンサーとして働く可能性が提唱されている1)。しかし,力がアクチン安定化または崩壊のどちらに作用するか,相反する結果がin vitroでの研究および培養細胞を用いた研究から報告されており,明確ではなかった。
本稿では,培養細胞を用いた研究について,アクチンプローブの性質とミオシン阻害剤の適切な使用法について解説する。更に,忠実度の高い蛍光アクチンプローブを用いた単分子スペックル顕微鏡で阻害剤による素早い変動を捕捉することにより,ミオシン張力によるアクチン線維安定性への作用を精密に検証した例を紹介する。
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