Japanese
English
解説
胎生期心内膜における造血機能の発見とその意義
Intracardiac hematopoiesis and its role
重田 文子
1,2
,
中野 治子
1
,
中野 敦
1
Shigeta Ayako
1,2
,
Nakano Haruko
1
,
Nakano Atsushi
1
1Department of Molecular, Cell, and Developmental Biology, University of California, Los Angeles
2千葉大学大学院医学研究院呼吸器内科学
キーワード:
胎生期心内膜
,
心臓組織定住マクロファージ
,
弁形成
Keyword:
胎生期心内膜
,
心臓組織定住マクロファージ
,
弁形成
pp.74-79
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201123
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主に骨髄で行われる成体の造血と異なり,胎生期には,卵黄囊や大動脈など複数の器官が造血機能を有している。この事実はよく知られているが,なぜ造血が複数の器官で起こる必要があるのか(あるいは理由などないのか)は古くからの謎であった。近年筆者らは,胚発生期の一時的に,心内膜も血球細胞産生機能を持つことを発見し1),心臓で起こる造血の大半を占めるマクロファージは,心臓弁の成熟に必須な細胞集団であることを明らかにした2)。これは,胎生期の一時的局所的な造血機能が,その局所組織の形態形成を担うマクロファージの産生に重要であることを証明した初めての報告である。
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