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特集 メカノバイオロジー
Ⅳ.生体構造の力学モデリングとシミュレーション
1細胞統合モデルによる多細胞組織の形態予測
Cell-integrated model for predicting multi-cellular morphogenesis
奥田 覚
1,2
Okuda Satoru
1,2
1金沢大学新学術創生研究機構ナノ生命科学研究所
2科学技術振興機構さきがけ
キーワード:
多細胞動態
,
形態形成
,
力学シミュレーション
,
三次元バーテックスモデル
Keyword:
多細胞動態
,
形態形成
,
力学シミュレーション
,
三次元バーテックスモデル
pp.327-332
発行日 2019年8月15日
Published Date 2019/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201008
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近年の培養やイメージングの技術発展により,組織・器官の三次元的な構造形成の過程を1細胞スケールから観察することが可能になりつつある。この構造形成は,発生・代謝・疾患などの様々な生命現象にみられ,その機構を理解し制御することが望まれている。しかし,現在のところ,組織・器官の構造形成の機構には未知な点が多く,その過程を精密に制御することは難しい。これを実現するためには,これまでの分子生物学的な理解に加えて,組織・器官の構造形成を支配する“多細胞の力学”について理解し,その動態を予測する必要がある。筆者らは,この多細胞動態の予測を実現するため,「汎用三次元バーテックスモデル」と呼ばれる数理モデルを開発してきた。この数理モデルでは,1細胞スケールの力学的な振る舞いを統合的にモデル化することにより,物理法則に基づいて細胞間の相互作用を計算し,組織・器官スケールの三次元的な構造形成を予測する。本稿では,1細胞スケールからみた多細胞動態の自由度,そこから導入される汎用三次元バーテックスモデルの概要,および,幾つかの発生現象への適用例について紹介する。
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