Japanese
English
仮説と戦略
大脳皮質の多様な機能に共通なメカニズムはあるか—カラム回路による統一的な情報変換モデル
A model of modular cortical circuits
細谷 俊彦
1
Hosoya Toshihiko
1
1理化学研究所脳神経科学研究センター局所神経回路研究チーム
キーワード:
大脳皮質
,
視覚野
,
運動野
,
言語野
,
神経回路
Keyword:
大脳皮質
,
視覚野
,
運動野
,
言語野
,
神経回路
pp.252-262
発行日 2019年6月15日
Published Date 2019/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200992
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はじめに:大脳皮質の様々な機能に共通なメカニズムはあるか
大脳皮質は哺乳類の進化において最も拡大した脳部位であり,哺乳類に特徴的な高次脳機能の中枢であると考えられている。大脳皮質は視覚野,運動野,言語野など多数の領野に分かれ,それぞれ異なった機能を持つ。ところがいずれの領野でも,主な神経細胞の種類や主たる結合パターン,6つの層に分かれた構造などはよく似ている。更に,個々の領野は他の領野の機能を部分的に代替できることが明らかとなっている1-3)。このため,機能の異なる領野の情報処理に普遍性がある可能性が考えられているが,多くは不明である4-8)。本稿では,最近見つかった領野間で共通な回路構造に基づき,様々な領野で共通な情報処理の枠組みの一つを提案する。
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