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エイジングに伴う大脳皮質の,(1)形態学的変化(神経細胞体,神経突起,およびシナプスの変化,神経原線維変化や老人斑などの老年(Alzheimer型)変化,グリアの変化など),(2)神経化学的および分子レベルの変化(神経伝達物質および受容体の変化,蛋白の酸化や糖化など),(3)老年変化出現に影響する因子(遺伝的因子,環境因子)について概説した。エイジングに伴い神経細胞数が減少することが従来から言われてきたが,最近,認知機能が正常の高齢者においては少なくとも一部の神経細胞集団では減数はみられないことが報告されている。エイジングやAlzheimer病脳でみられる神経原線維変化や老人斑(アミロイドβ蛋白沈着)などの老年(Alzheimer型)変化は,エイジング脳でみられる場合,Alzheilner病と比較して程度が軽いばかりでなく,その出現パターンが異なっている。こうした老年変化の出現には多数の因子が複合的に影響しているものと考えられるが,Alzheimer病の危険因大子として知られるアポリポ蛋白E遺伝子型は非痴呆高齢者脳にみられる老年変化の有無や程度にも関連している可能性がある。
Various alterations are found in cerebral cortex of elderly individuals, although it remains unclear what changes would represent “normal aging process” itself. A gradual decrease of cortical neurons was thought to be inevitably associated with aging; however, recent studies have demonstrated that neuronal numbers of some neuronal populations are preserved in cognitively intact elderly subjects.
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