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はじめに
ヒトをヒトたらしめているのは脳の高次機能であろう。このことが明らかになった約100年前のBrocaの時代から比較的最近まで,ヒトの脳の高次機能を調べるのは脳局所の傷害例に依存していた。これら傷害例によって,高次機能の主要な担い手である大脳皮質はモザイク状に構成されており,そのパッチワークの一つ一つに独自の機能局在がある,ということまでは明らかになったのであるが,それではその局所領域で高次機能がどのように生成されるかについては推論の域を出ていなかったといってもよい。しかし,最近になって,脳の高次機能が局所領域を構成する神経ネットワークのレベルで理解されようとするまでに脳の研究が進展しつつある。本論文では,とくに大脳皮質における神経ネットワークに焦点をあて,そのネットワークで運動制御の高次機能の発現が如何にして生じているかに関する最新の知見および考え方をまとめようとするものである。
It became more and more evident that higher brain function can be understood at the level of neural network. Motor system is not exception. Both in humans and monkeys, neural circuits in the dorsal and ventral premotor cortex (PMd and PMv, respectively) contribute to different aspects of higher sensorimotor integration. Using the network, the PMd plays an important role in transforming abstract, conditional sensory cues into appropriate motor responses termed conditional motor behavior, as we are instructed by traffic signals or language.
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