Japanese
English
特集 心臓の発生・再生・創生
Ⅲ.心臓形成からみた病態の理解
先天性心疾患─流出路の形態形成からみる疾患の理解
Congenital heart diseases:understanding the outflow defects from the development
古道 一樹
1,2
,
吉田 祐
1,2
,
山岸 敬幸
1,2
Kodo Kazuki
1,2
,
Yoshida Yu
1,2
,
Yamagishi Hiroyuki
1,2
1慶應義塾大学医学部小児科
2慶應義塾大学医学部周産期・小児医療センター
キーワード:
心臓神経堤細胞
,
二次心臓領域
,
総動脈幹遺残症
,
Fallot四徴症
,
Sema3C
Keyword:
心臓神経堤細胞
,
二次心臓領域
,
総動脈幹遺残症
,
Fallot四徴症
,
Sema3C
pp.554-558
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200729
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先天性心疾患は,生命に直結する先天異常のなかで最も頻度の高い疾患で,心臓発生の異常に起因する。われわれが日常診療で遭遇する先天性心疾患の多くは,心臓大血管の発生過程における特定の領域または段階の発生異常によって発症する。高等動物の心臓発生は,いわば進化によって生み出された自然の芸術であり,時間的・空間的に秩序だった多くの複雑な過程,すなわち由来の異なる心臓前駆細胞の移動,増殖,分化,プログラム細胞死,相互作用によって成立している。したがって,この複雑な過程を知り,その異常によって発症する先天性心疾患の成り立ちを理解するためには,心臓大血管の発生を幾つかの領域ないし段階に分けて科学する“臨床心臓発生学”が有用である。本稿では,主に心臓流出路の領域を取り上げ,今世紀に明らかにされた,発生に関与する心臓前駆細胞,先天性心疾患の発症メカニズムについて概説する。
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