Japanese
English
特集 時間生物学の新展開
精神疾患の時間生物学的考察
Chronobiology of psychiatric disorders
戸谷 豪志
1,2
,
福本 景太
1,3
,
玉田 紘太
1
,
三澤 日出巳
2
,
内匠 透
1,3
Toya Tsuyoshi
1,2
,
Fukumoto Keita
1,3
,
Tamada Kota
1
,
Misawa Hidemi
2
,
Takumi Toru
1,3
1理化学研究所脳科学総合研究センター
2慶應義塾大学薬学部薬科学科
3広島大学大学院医歯薬保健学研究科
キーワード:
概日リズム
,
睡眠
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
精神疾患
Keyword:
概日リズム
,
睡眠
,
自閉スペクトラム症(ASD)
,
精神疾患
pp.584-588
発行日 2016年12月15日
Published Date 2016/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200558
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概日リズムが睡眠・覚醒リズムを決定するが,睡眠障害はうつに限らず広く精神疾患の初発症状として頻繁にみられる。また,双極性障害や季節性感情障害と概日リズムとの関係は従来からよく知られている1)。本稿では,精神疾患研究のなかでも最近急速に研究が発展してきた自閉スペクトラム症(autism spectrum disorder;ASD)研究を中心に考察する。ASDは生後3歳までに発症する発達障害である。ASD患者は社会性の低下,反復行動,興味の限定などの症状を示す。ASDを含む精神疾患の多くは,睡眠障害など“概日リズム異常”を併発することが多い。しかし,なぜ精神疾患患者で概日リズム障害が多く発症するか,また,どのような機序によりリズム障害が起こるのかはいまだ不明な点が多い。本稿では,近年多数作製されているASDモデル動物における研究成果を紹介し,ASDと概日リズム異常の関連性について概説したい。
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