増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅴ.がん
甲状腺がんのバイオマーカー:診断と予後因子
伊藤 康弘
1
,
工藤 工
2
,
木原 実
3
,
宮内 昭
4
Ito Yasuhiro
1
,
Kudo Takumi
2
,
Kihara Minoru
3
,
Miyauchi Akira
4
1隈病院治験・臨床試験管理センター
2隈病院内科
3隈病院外科
4隈病院
キーワード:
サイログロブリン
,
Tg
,
カルシトニン
,
Ct
,
CEA
,
ダブリングタイム
,
甲状腺がん
Keyword:
サイログロブリン
,
Tg
,
カルシトニン
,
Ct
,
CEA
,
ダブリングタイム
,
甲状腺がん
pp.454-455
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200514
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甲状腺がんのバイオマーカーの代表的なものとしては,分化がんにおけるサイログロブリン(Tg),髄様がんにおけるカルシトニン(Ct)とcarcinoembryonic antigen(CEA)が挙げられる。こういったバイオマーカーは外科的治療によって根治術が施行できたかどうかの指標だけではなく,それを経時的に追うことにより,再発巣の進行状況を推測することに役立つ。分化がんにおける甲状腺全摘後のTgや髄様がんにおけるCtやCEAの術後のダブリングタイム(DT)が短いものは進行が早く,予後不良である。これらのDTは最近,甲状腺がんに対して適応となった分子標的薬剤の適応を考えるための参考データとなり得る。
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