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特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
腰椎椎間板ヘルニア組織中における炎症性サイトカインの検討
Inflammatory Cytokines in the Herniated Disc of the Lumbar Spine
高橋 寛
1
,
勝呂 徹
2
,
岡島 行一
2
,
茂手木 三男
2
,
岡田 弥生
3
,
垣内 史堂
3
Hiroshi Takahashi
1
1大和市立病院整形外科
2東邦大学医学部整形外科学教室
3東邦大学免疫学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Yamato City Hospital
キーワード:
炎症性サイトカイン
,
inflammatory cytokine
,
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
プロスタグランジンE2
,
prostaglandin E2
Keyword:
炎症性サイトカイン
,
inflammatory cytokine
,
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
プロスタグランジンE2
,
prostaglandin E2
pp.377-382
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901338
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抄録:腰椎椎間板ヘルニアによる根性坐骨神経痛の発現に,ヘルニア腫瘤の機械的圧迫に加えて,ヘルニア組織中に存在する炎症性サイトカインの関与を想定し検討を行った.ヘルニア組織中からは各種炎症性サイトカインの検出が可能であった.サイトカイン産生細胞として,protrusion typeでは軟骨細胞,extrusion,sequestration typeでは,組織球,線維芽細胞,血管内皮細胞などの肉芽組織を構成する様々な細胞であることが知られた.ヘルニア組織培養上清中からは,各種炎症性サイトカインと催炎物質であるプロスタグランジンE2の産生が確認され,これらはステロイド剤の添加により抑制された.以上の結果より,腰椎椎間板ヘルニアによる根性坐骨神経痛発現の主要因の一つとして,ヘルニア組織中のサイトカインの作用により,椎間板組織あるいは肉芽組織中に産生されたプロスタグランジンE2による神経根の炎症性刺激が考えられた.
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