増大特集 細胞シグナル操作法
Ⅱ.機能からみたシグナル操作法
3.細胞の動態
細胞周期
阪上-沢野 朝子
1
,
宮脇 敦史
1
Sakaue-Sawano Asako
1
,
Miyawaki Atsushi
1
1理化学研究所脳科学総合研究センター細胞機能探索技術開発チーム
キーワード:
細胞周期
,
蛍光プローブ
,
タイムラプスイメージング
Keyword:
細胞周期
,
蛍光プローブ
,
タイムラプスイメージング
pp.514-515
発行日 2015年10月15日
Published Date 2015/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200334
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細胞の増殖と分化とが絡み合うことで,組織,器官,そして個体が形成される。こうした階層的“生命動態システム”において,細胞周期進行はどのような時空間パターンで起こるのか? この問いに答えるために,われわれは細胞周期をリアルタイムに可視化する蛍光プローブFucci(Fluorescent ubiquitination-based cell cycle indicator)を開発した。Fucciを恒常的に発現する生物個体を作製し,様々な発生段階における細胞周期パターンを四次元的に理解するプロジェクトを推し進めている。また,特殊な培養皿FulTrac wellを作製し,浮遊細胞や運動性の高い細胞などの動態を長時間にわたり追跡することを可能にした。本稿では,生命動態システムを細胞周期制御の観点から解析するFucci技術を紹介しながら,細胞周期研究の次世代を展望する。
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