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特集 新興・再興感染症と感染症対策
E.ベクター
国内における感染症媒介者としてのダニ類
Parasitic mites and ticks as the vector of acari-borne infectious diseases in Japan
藤田 博己
1,2
Fujita Hiromi
1,2
1藤田保健衛生大学医学部
2馬原アカリ医学研究所
pp.347-351
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200188
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国内でヒトのダニ媒介性感染症にかかわるダニ類には,大きく動物寄生性のツツガムシ類とマダニ類が知られる。このほか,トゲダニ類媒介性で世界各地に発生しているリケッチア痘は国内では見つかっていない。寄生性ダニ類はヒトを刺咬して組織液や血液を摂取した際に各種の病原体を感染させ得る。ただし,ツツガムシとマダニには,ヒトを本来の宿主とする種類は存在しない。
2015年4月現在までに国内に確認されたダニ媒介性感染症は13種類に及ぶ(表1)。このうちのほぼ半数は最近の10年間前後に見つかった新興感染症で,なかでも重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome;SFTS),ヒトアナプラズマ症および新興回帰熱は2013年に新たに加わったものである。
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