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特集 新興・再興感染症と感染症対策
D.原虫
アフリカトリパノソーマ症対策の現在,そして未来
Control of African trypanosomoses:present situation and the future
菅沼 啓輔
1,2
,
井上 昇
1
Suganuma Keisuke
1,2
,
Inoue Noboru
1
1帯広畜産大学原虫病研究センター
2日本学術振興会
pp.339-342
発行日 2015年8月15日
Published Date 2015/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200186
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元来,アフリカトリパノソーマ症はアフリカ大陸の限られた地域に存在していた風土病であったが,欧州列強がアフリカ大陸に進出し植民地化を推し進める中で,その流行地域が拡大した。アフリカトリパノソーマ症対策は植民地経営の重要事項であったため,いったんはアフリカトリパノソーマ症の撲滅に向かうかと思われた。しかし,第二次世界大戦後のアフリカ諸国の独立とそれに続く社会の混乱のため,再び新規症例が増加した。現在,アフリカトリパノソーマ症の根絶に向けて新しい診断・治療薬,そして予防法につながる研究が意欲的に行われている。本稿では,「アフリカトリパノソーマ症対策の現在,そして未来」と題して,特に診断法開発に関するわれわれの研究成果を紹介しながら概説する。
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