増大特集 生命動態システム科学
Ⅲ.合成生物学
3.摂動技術
(4)細胞間コミュニケーションを担う遺伝子回路の再構成
戎家 美紀
1
Ebisuya Miki
1
1理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 再構成生物学研究ユニット
pp.514-515
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200066
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■再構成というアプローチ
われわれは興味深い生命現象を,作る(再構成する)ことで理解したいと考えている。実際に作ってみることで,これまでの知見や予測を検証し,さらにはそこから予想外の発見をしたい,という動機である。そのような再構成研究は近年増加しており,好例としては概日リズムの試験管内再構成1)や,細胞内極性の再構成2)などが挙げられる。われわれ自身は再構成する対象として多細胞生物の発生現象に興味を持っており,現在は複数の細胞がコミュニケーションすることで自発的に形成される,細胞のパターンの再構成に取り組んでいる。再構成の手法もいろいろと考えられるだろうが,われわれが行っているのは培養細胞上に遺伝子回路を作製することで,目的の発生現象の性質が再構成できるか試す,というアプローチである。
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