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特集 細胞接着の制御
Notchシグナルを用いた人工遺伝子回路による細胞パターンの作製
Reconstitution of cell patterns that are driven by Notch signaling
松田 充弘
1
,
戎家 美紀
2
Mitsuhiro Matsuda
1
,
Miki Ebisuya
2
1京都大学大学院 生命科学研究科
2京都大学 生命科学系キャリアパス形成ユニット
pp.199-205
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101440
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多細胞生物は細胞間のコミュニケーションによって,様々な細胞パターンを形成する。模様のような細胞のパターンは,どのようにして形成されているのだろうか。われわれは遺伝子回路に注目し,細胞内に遺伝子回路を組み立て,細胞パターンを再構成することによって,遺伝子回路がどのようにして細胞パターンを実現しているのかを理解しようと考えた。近年,このような構成的な立場からのアプローチが盛んになってきており,大腸菌を用いた実験系で,拡散リガンド分子による細胞間コミュニケーションを用いて,目玉模様や縞模様を作ったという仕事が有名である1,2)。しかし,多細胞生物の細胞を用いて細胞のパターンを作った例はこれまでにほとんどなかった。
そこでわれわれは哺乳類培養細胞を用い,多細胞生物に特有の,細胞接着依存的な細胞間のコミュニケーションによって,細胞のパターンを作製した。本稿ではシグナル伝播の挙動を示すような,Delta-Notchシグナル伝達を用いた細胞間ポジティブフィードバック回路の再構成について紹介する3)。
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