増大特集 生命動態システム科学
Ⅰ.定量生物学
2.組織・個体の計測
3)血管系
(2)血管パターニングにおける血流の役割
佐藤 有紀
1,2,3
Sato Yuki
1,2,3
1九州大学大学院医学研究院 系統解剖学分野
2熊本大学大学院先導機構
3戦略的創造研究推進事業さきがけ
pp.430-431
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200024
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■はじめに
血管は生命機能の根幹を支える重要な器官である。それゆえに血管は様々な疾患と密接なかかわりを持つ。腫瘍の増殖・浸潤にかかわる血管形成制御,老化や疾患で低下する血管機能の維持・回復,血管奇形の発生機構・治療などの医学的な緒課題の解決に向け,血管研究が盛んに行われている。特に血管形成および維持にかかわる分子メカニズムは,近年,詳細に理解されている。その解説は他の著書に譲ることとし,本稿では広域的な血管ネットワークが秩序だって構築される仕組み(“血管パターニング”と呼ぶ)の謎に迫る糸口となることが期待される血流とのかかわりについて解説する。
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