増大特集 生命動態システム科学
Ⅰ.定量生物学
1.分子・細胞の計測
1)基本技術
(3)定量生物学推進に向けた先端バイオイメージング
渡邉 朋信
1
,
市村 垂生
1
Watanabe Tomonobu M
1
,
Ichimura Taro
1
1理化学研究所 生命システム研究センター 先端バイオイメージング研究チーム
pp.390-391
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200004
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■はじめに
バイオイメージングとは生物を画像として観察,解析することであり,ヒト個体の内部を観察するMRIやCTから,生命機能の素子である蛋白質の分子構造を観察する電子顕微鏡まで,様々なモダリティが存在する。数あるモダリティの中で,光は量子エネルギーが低く生体分子への損傷が少ないため,光学顕微鏡は生体試料の生きたままの観察を可能とする。さらに,1953年の蛍光蛋白質の発見により,光学顕微鏡の中でも,蛍光顕微鏡の生命科学研究への応用は飛躍的に広がり,それに伴い光学顕微鏡技術を用いたバイオイメージング技術も進歩してきた。生命科学において,“観る”技術として使われてきた顕微鏡技術は,2014年現在,蛋白質や細胞の動態や状態を“測る”技術として進化している。
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