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解説
亜鉛トランスポーターの特徴と生理機能―ZIP,ZnTトランスポーターと細胞機能・疾患との関連性
Characterization and physiological roles of zinc transporters―Involvement of ZIP and ZnT transporters in cellular functions and disease
辻 徳治
1
,
神戸 大朋
1
Tsuji Tokuji
1
,
Kambe Taiho
1
1京都大学大学院 生命科学研究科 統合生命科学専攻 生体情報応答学
pp.370-378
発行日 2014年8月15日
Published Date 2014/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101640
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亜鉛は生体にとって必須の微量金属元素である。亜鉛は多数のタンパク質の構造・機能維持や酵素の活性・調整因子として重要な役割を果たしている1,2)。さらに,細胞内外の遊離亜鉛イオンがシグナル因子としても重要な機能を持つことが明らかにされていることからも,亜鉛の生理機能が非常に多岐にわたり,亜鉛が生命活動に必須の因子であることは明らかである3,4)。そのため,生体には亜鉛ホメオスタシスを厳密に制御する機構が備わっており,金属貯蔵タンパク質であるメタロチオネインをはじめ,膜輸送を介して細胞質の亜鉛レベルを制御する亜鉛トランスポーターは,その制御にかかわる重要な因子である。
近年,亜鉛トランスポーターの発現変化や機能破綻が,生活習慣病をはじめとした多くの疾患に密接に関連するとの報告が数多くなされており4,5),亜鉛の多様な生理機能と疾患との関連性を論じるうえで,亜鉛トランスポーターの生理機能を理解することは必要不可欠な要素となっている。本稿では亜鉛トランスポーターの特徴・機能を生理学的な面から概説し,その重要性を紹介する。
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