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特集 細胞の少数性と多様性に挑む―シングルセルアナリシス
A.シングルセルアナリシスへ向けた技術開発
光スイッチング機能プローブで挑む細胞の個性
Exploring the cell personality by photoswitchable functional probes
松田 知己
1
,
永井 健治
1
Matsuda Tomoki
1
,
Nagai Takeharu
1
1大阪大学 産業科学研究所 生体分子機能科学研究分野
pp.101-106
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101587
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生体を構成する多数の細胞が協調することで成し遂げられる形態形成や恒常性の維持の機構を明らかにするためには,生きた生物の中で起こる細胞集団の振る舞いと個々の細胞で起こる現象の関係性を理解する必要がある。近年のライブイメージング技術の進歩により培養細胞内で起こる現象を可視化することに関しては敷居が低くなってはいるが,個体・組織中で多細胞の中に埋もれている個々の細胞の振る舞いや細胞内現象を抽出して解析することは依然として挑戦的な研究内容である。生化学的手法のように何万個もの細胞をすり潰して解析する方法では見いだしえない,一つひとつの細胞の振る舞いの違い(個性)がライブイメージングによって観察可能になったものの,得られた画像情報から個性を評価する方法が未発達だからである。本稿では細胞の個性にまで踏み込むことを可能にする,多細胞内の特定1細胞ライブイメージング技術の現状と蛍光タンパク質性光スイッチング機能プローブを紹介すると共に,細胞個性の研究に必要不可欠な解析方法について筆者らの私見を述べる。
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