増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:1回膜貫通型◆受容体の遺伝子:TLR3
喫煙によるTLR3の発現増加―COPD急性増悪のメカニズム
市川 朋宏
1
,
小荒井 晃
2
,
南方 良章
1
Ichikawa Tomohiro
1
,
Koarai Akira
2
,
Minakata Yoshiaki
1
1和歌山県立医科大学 第3内科
2東北大学大学院 医学系研究科 内科病態学講座 呼吸器内科学分野
pp.508-509
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101539
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たばこ煙には多くの有害物質が含まれており,長期間の喫煙が慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease;COPD)や動脈硬化などの慢性疾患の発症のリスク因子となる。特にたばこ煙に含まれる多種のフリーラジカルやオキシダントにより生体内で酸化ストレスを生じることで疾患の発症や進行を引き起こすと考えられている。近年,Toll様受容体(Toll-like receptors;TLRs)をはじめとした自然免疫応答が有害物質のクリアランスやたばこ煙による生体内での反応のメカニズムに関連していることが明らかになった。われわれはCOPDの病態形成およびその増悪機序について喫煙とTLR3の関連に着目し検討を行ってきた。本稿では喫煙および酸化ストレスがTLR3の発現や自然免疫応答に及ぼす影響について,研究成果も踏まえて概説する。
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