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Notch 3遺伝子とCADASIL
宇山 英一郎
1
1熊本大学医学部附属病院神経内科
キーワード:
Notch 3遺伝子
,
CADASIL
,
優性遺伝性多発性脳梗塞
Keyword:
Notch 3遺伝子
,
CADASIL
,
優性遺伝性多発性脳梗塞
pp.1050-1052
発行日 1998年9月15日
Published Date 1998/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903844
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1.発生分化におけるNotchの意義
Notchは,無脊椎動物のショウジョウバエにおける形態形成に働く遺伝子として,約80年前に発見されていた1).その名称は,キイロショウジョウバエのNotch遺伝子のヘテロ変異体において,翔がギザギザ(notch)になるところに由来している.ホモ変異体では,発生期の段階で,表皮が犠牲となり,神経細胞だけが過剰に増殖して死に至るため,neurogenic遺伝子とも称される.すなわち,Notchは生物の発生分化過程で細胞の運命を決定するという,きわめて重要な機能を担っている1).したがって,線虫など他の無脊椎動物をはじめ,ニワトリ,マウス,ヒトなどの脊椎動物にも共通してNotchあるいは相同体は存在し,その機能は進化の過程で種を超えて見事に保護されている.
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