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特集 小脳研究の課題(2)
まだ解かれていない七つの小脳の基本的研究課題
Seven unsolved fundamental questions on cerebellum
永雄 総一
1
,
山崎 匡
2
Soichi Nagao
1
,
Tadashi Yamazaki
2
1理化学研究所 脳科学総合研究センター 運動学習制御研究チーム
2理研BSI-トヨタ連携センター 戦略ユニット
pp.3-10
発行日 2012年2月15日
Published Date 2012/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101253
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小脳の研究の歴史は19世紀の損傷実験に始まるが,当時から学習と関連する代償機能が注目されていた。微小電極による電気生理学の手法で,小脳皮質の神経回路が明らかになるとともに,計算理論の視点からMarrやAlbusによる運動学習の仮説が提出された。次に,この仮説を検証するために,伊藤らは眼球運動の適応の実験パラダイムを導入し,小脳片葉で運動学習の原因となるシナプス伝達可塑性の長期抑圧を発見した。長期抑圧の分子機構とその生理学的意義は,小脳の研究の現在のトピックスである。本稿では,これまでの小脳の研究のターニングポイントの時期に書かれた小脳のモノグラフを参考にしてこれまでの研究の流れを概説し,現在もなお未解決である基本的な小脳の研究課題を7項目にまとめ,そのポイントを論じる。
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