特集 シナプスをめぐるシグナリング
14.転写因子
Junファミリー
宝田 剛志
1
,
米田 幸雄
1
Takeshi Takarada
1
,
Yukio Yoneda
1
1金沢大学大学院 自然科学研究科 健康薬学講座
pp.522-523
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101071
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Activator protein-1(AP-1)はFosファミリー(c-Fos,Fra1,Fra2,FosBなど),Junファミリー(c-Jun,JunB,JunDなど)およびactivating transcription factor(ATF)ファミリー(ATF-2,ATF-3,B-ATFなど)からなる2量体で構成される転写制御因子である。構成因子の一つであるJunファミリータンパク質は,その分子中のロイシンジッパー構造を介して,Fosファミリータンパク質やATFファミリータンパク質とヘテロ2量体,あるいはJunファミリータンパク質同士でホモ2量体を形成して,標的遺伝子プロモーター上に存在するAP-1結合配列TPA-responsive element(TRE;TGAC(T/G)TCA)に結合する(図1)。Junファミリーの一つであるc-Junは,ニワトリ肉腫ウイルスのv-Jun類似タンパク質として同定された原癌遺伝子(proto-oncogne)であり,新たなタンパク質合成を伴わずに発現誘導の認められるImmediate early gene(IEG)の一種である。
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