特集 シナプスをめぐるシグナリング
2.トランスポーター
グリシントランスポーター(GlyT)
田辺 光男
1
Mitsuo Tanabe
1
1北里大学 薬学部 薬理学教室
pp.408-409
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101027
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中枢神経系においてglycineはGABAと並んで重要な抑制性神経伝達物質である。GlycineはCl-チャネル一体型のstrychnine感受性glycine受容体に結合し,Cl-チャネルを開口することにより神経細胞を抑制する。さらに,1980年代後半にglycineがglutamateの共アゴニストとしてNMDA受容体を活性化する1)ことが示されて以来,興奮性および抑制性神経伝達の両面においてglycineが重要な役割を担っていることが広く認識されるようになった。細胞外のglycineはglycine transporter(以下GlyT)の働きにより制御されている。GlyTの機能に関する解明は近年大きく進んできており,GlyTをターゲットとした疾患治療薬も視野に入りつつある。本稿では,GlyTのサブタイプやその分布と機能,GlyT阻害薬の疾患治療薬への可能性について紹介したい。
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