特集 伝達物質と受容体
3.アミン
セロトニン
末梢の急性炎症に対する5-HTの作用機構
小幡 英章
1
,
斎藤 繁
1
Hideaki Obata
1
,
Shigeru Saito
1
1群馬大学大学院医学系研究科脳神経病態制御学講座麻酔神経科学
pp.434-435
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100906
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[用いられた物質/研究対象となった受容体]
塩酸サルポグレラート,ケタンセリン,RS102221,SB242084/セロトニン(5-HT)受容体
セロトニン(5-Hydroxytryptamine,以下5-HTと略す)は,生体内に広く存在する生理活性アミンで,ヒトではその90%が小腸のエンテロクロマフィン細胞に含まれ,8%が血小板に,1-2%が中枢神経系に存在する。多様な生理的機能を担っているが,痛みに関しても重要な役割を果たしており,5-HTが偏頭痛を誘発することはよく知られている。体性痛に関しても5-HTは深く関与しており,末梢では痛みを増強する因子として,中枢神経系では下行性抑制系の一翼を担う神経伝達物質として知られている。近年,動物の様々な疼痛モデルが開発され,末梢での炎症性疼痛に関与する5-HTの役割が明らかになりつつある。
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