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特集 創薬ゲノミクス・創薬プロテオミクス・創薬インフォマティクス
第2部 総説
Ⅰ 創薬ゲノミクス
副作用を薬理ゲノミクスの立場から考える
Pharmacogenomic consideration of adverse drug reactions
千葉 寛
1
Kan Chiba
1
1千葉大学大学院薬学研究院遺伝子薬物学講座
pp.393-398
発行日 2003年10月15日
Published Date 2003/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100777
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医薬品の有害作用(ADR)はQOLの低下につながり,場合によっては死にいたることもあるため,薬物治療上の大きな問題点のひとつとなっている。同様に,ADRはしばしば新薬の開発中止や市場からの回収の原因となるため,ADRは新薬を開発する上での重要な課題のひとつでもある。
一方,薬理ゲノミクス(pharmacogenomics)は薬理遺伝学(pharmacogenetics)をさらに発展させた概念として,1990年代の末頃から広まってきた新しい考え方である。薬理遺伝学は医薬品に対する反応性の個人差を遺伝の面から研究する学問分野であるが,薬理ゲノミクスはその研究領域に医薬品開発をさらに包括させた概念であり,SNPs(single nucleotide polymorphisms)解析や遺伝子発現の網羅的解析技術などを適用することにより,テーラーメイド医薬や個別医療を確立しようとするものである。
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