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特集 SNARE複合体-膜融合の機構
マイクロドメインスイッチング:アミロイド前駆体蛋白質のマイクロドメイン依存性代謝調節とシンタキシン1
Membrane microdomain switching:a regulatory mechanism of amyloid precursor protein processing dependent on syntaxin 1-containing microdomain
櫻井 隆
1
,
樫山 拓
1
,
貫名 信行
2
Takashi Sakurai
1
,
Taku Kashiyama
1
,
Nobuyuki Nukina
2
1順天堂大学 医学部 薬理学講座
2(独)理化学研究所 脳科学総合研究センター 構造神経病理研究チームー
pp.252-256
発行日 2010年6月15日
Published Date 2010/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100993
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国内に100万人以上とされる認知症患者の約半数はAlzheimer病であるといわれている。人口の高齢化により今後その数は増加すると予測され,発病メカニズムの解明とそれに基づく早期診断・治療法の開発が急務となっている。現在,βアミロイド(Aβ)と呼ばれる40程度のアミノ酸からなるペプチドの過剰蓄積がその原因であるとするアミロイド仮説が有力視されている。Aβは,1回膜貫通蛋白質であるアミロイド前駆体蛋白質(APP)のβ,γの2段階の切断により生じる断片である。Aβ産生にはコレステロール依存性が見られ,コレステロール・スフィンゴ脂質からなる膜マイクロドメイン「ラフト」がβ切断の場であると考えられてきた。最近,われわれは神経細胞中に「ラフト」とは異なるβ切断抑制性のマイクロドメインを見出した。マイクロドメインを場とするAPPのβ切断制御機構とシンタキシン1との関連について紹介したい。
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