特集 生命科学のNew Key Word
4.細胞小器官
ゴルジマトリックスタンパク質群
吉村 信一郎
1
,
中村 暢宏
2
Shin-ichiro Yoshimura
1
,
Nobuhiro Nakamura
2
1日本学術振興会
2金沢大学大学院自然科学研究科
pp.418-419
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100588
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ゴルジ体は多くの生物種において扁平な嚢が隣り合った構造(層板構造)を持っている。小胞体から送られてきた分泌タンパク質や膜タンパク質はゴルジ体に到達すると,それぞれの嚢に局在する酵素群により段階的な修飾を受け,その後目的地に選別輸送される。ゴルジ体の層板構造はタンパク質の修飾と輸送の効率を上げるために重要な構造であると考えられている。
ゴルジ体の位置や構造の決定には微小管やアクチン繊維などの細胞骨格が重要な役割を果たしていることが示唆されている。スペクトリンやアンキリンのアイソフォームがゴルジ体に局在しており,アクチン繊維との相互作用を通してゴルジ膜の裏打ち構造を形成している可能性が考えられる。GMAP210やHook3,CLIPR-59などの微小管結合タンパク質もゴルジ体に局在し,ゴルジ体と微小管をつなぐリンカーとして機能していると考えられる。
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