特集 生命科学のNew Key Word
1.遺伝子/遺伝子発現/進化
mTOR(mammalian Target of Rapamycin)
米澤 一仁
1
Kazuyoshi Yonezawa
1
1神戸大学バイオシグナル研究センター
pp.382-383
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100573
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ラパマイシンは,哺乳類における免疫抑制効果,癌抑制効果,および狭心症における介入治療(angioplastyやステント治療)後の冠動脈再狭窄に対する抑制効果が注目される有機化合物である。このラパマイシンの細胞内標的蛋白質として,出芽酵母においてTOR(mammalian Target of Rapamycin)が同定された。mTORはTOR蛋白の哺乳類オーソログで,2549アミノ酸残基,289kDaの蛋白質リン酸化酵素(protein kinase)である。ラパマイシンはその細胞内受容体であるFKBP12(FK506結合蛋白質12)と複合体を形成し,この複合体がmTORに直接結合することにより,mTORの機能が阻害される。
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