特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
17.免疫系
CD40抗原(CD40)
川口 鎮司
1
,
鎌谷 直之
1
Yasushi Kawaguchi
1
,
Naoyuki Kamatani
1
1東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センター
pp.532-533
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100494
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
CD40分子とそのリガンド分子の発見
CD40は1980年代にB細胞上の抗原として同定された45-50kDaのタイプⅠ膜貫通型蛋白質p50で,当初より受容体の機能を有することが推測されていた1)。TNF受容体と高い相同性を有することより,TNF受容体のスーパーファミリーに属している(TNFRSF5)。当初はB細胞上にのみ発現していると考えられていたが,免疫系の細胞(単球,樹状細胞,マクロファージ)ばかりでなく,間葉系細胞(線維芽細胞,滑膜細胞,筋芽細胞),血管内皮細胞,上皮系細胞にも発現することがわかってきた。その後,そのリガンドが活性化T細胞上に発現するCD40L(CD154)であることがわかり,活性化T細胞との接触によりCD154からの刺激がB細胞に加わり,B細胞は増殖分化することが明らかとなってきた2)。また,T細胞上のCD154は活性化T細胞の細胞表面に発現後,プロテアーゼの作用によりシェデイングされ,血中に放出され,可溶性CD154となる。この可溶性CD154は生理学的活性体であり,標的細胞上のCD40を刺激することができる3)。
Copyright © 2005, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.