特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
17.免疫系
IκBL/inhibitor of κB-like(NFKBIL1)
浜口 和之
1
,
吉松 博信
2
Kazuyuki Hamaguchi
1
,
Hironobu Yoshimatsu
2
1大分大学医学部地域・老年看護学講座
2大分大学医学部生体分子構造機能制御講座
pp.534-535
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100495
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HLA遺伝子領域とIκBL遺伝子
ヒト染色体6番短腕には,個体の免疫応答に重要な役割を担うヒト組織適合抗原複合体(major histocompatibility complex:MHC;ヒトではhuman leukocyte antigen:HLA)の遺伝子群が存在する。3.6Mbに及ぶこの領域は三つの領域に分けられ,セントロメア側からクラスⅡ,クラスⅢ,クラスⅠの順番に並び,本来のHLA遺伝子のほか,100個以上の非HLA遺伝子を含んでいる1)。特にクラスⅢ領域には,補体やTNFの遺伝子のほか,機能が未知の遺伝子が多く存在している。IκBL(inhibitor of κB-like;NFKBIL1)遺伝子もそのような遺伝子の一つであり,LTA遺伝子とATG6遺伝子に挟まれて存在し,近傍にはTNFA遺伝子,BAT1遺伝子,MICB遺伝子などがある2-4)。
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