特集 生物進化の分子マップ
20.収縮タンパク
アクチンの比較生物学
小田 俊郎
1
Toshiro Oda
1
1理化学研究所播磨研究所放射光科学総合研究センター構造生理学研究グループX線構造解析研究チーム
pp.484-485
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100323
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
アクチンはアミノ酸配列がよく保存され,類縁蛋白質をもたないファミリーを形成していると思われてきた。1990年に,アクチン1),HSP70(70kDa heat shock protein ATPase domain)2)の三次元構造が決定され,アクチンと類似立体構造をもつ蛋白質があることが示された。また,1992年に,α-アクチンと47%の相同性をもつ,酵母遺伝子(ACT2)にコードされた蛋白質が発見された3)。これらの発見により,アクチンが類縁蛋白質をもたない蛋白質であるという見方は一変した。
Copyright © 2006, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.