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特集 グリケーション(糖化)
2型糖尿病性腎症ラットモデルにおけるAGEsの関与
Inhibition of advanced glycation end-products(AGEs):An implicit goal in clinical medicine?
大友 秀一
1
,
宮田 敏男
2
Shuichi Ohtomo
1
,
Toshio Miyata
2
1東海大学総合医学研究所
2東海大学医学部腎代謝内科学
pp.549-553
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100135
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2型糖尿病における糖尿病性腎症は,高血糖のみならず高血圧,高脂血症,インスリン抵抗性,肥満といった代謝異常,さらにはadvanced glycation end-products(AGEs)などの様々なファクターの複合的関与により,病態が形成・進展すると考えられている。中でもAGEsは,糖尿病血管合併症全般の発症進展に直接的に関与する可能性が挙げられ,研究が進められている。
AGEsは,タンパク質と糖(グルコースやほかの炭水化物)の非酵素的な反応(糖化反応)を起点とした酸化的/非酸化的反応により形成される修飾タンパク質の総称であり,AGEs形成における一連の反応はメイラード反応と呼ばれている。AGEs形成は高血糖状態の持続により促進されるが,生体内酸化ストレスもまたAGEs形成を促進すると考えられており1),2型糖尿病におけるAGEsの上昇は,高血糖のみならず高血圧,高脂血症,肥満,高インスリン血症といったメタボリック異常に起因する酸化ストレスの亢進が関係している可能性が考えられる。
本稿では,2型糖尿病性腎症ラットモデルに対し行った各種メタボリック異常改善治療(カロリー制限,血圧降下剤,血糖低下薬)や慢性虚血改善治療の結果を概説し,糖尿病性腎症とAGEsの関係についてわれわれの得た知見を紹介したい。
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