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特集 グリケーション(糖化)
糖化リン脂質の検出と解析
Detection and analysis of glycated aminophospholipid
宮澤 陽夫
1
Teruo Miyazawa
1
1東北大学大学院農学研究科天然物生物機能科学講座
pp.524-528
発行日 2007年12月15日
Published Date 2007/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100130
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食品の分子間反応のひとつに糖化反応(グリケーション)がある。この反応はタンパク質のアミノ基と糖のカルボニル基の間の非酵素的な脱水縮合であり,アミノカルボニル反応とも呼ばれる。アミノカルボニル反応は食品中で普遍的に起こる褐変反応のひとつであり1,2),生体中においても進行する。生体内タンパク質のグリケーションは糖尿病などの疾病要因と考えられている3,4)。
一方,脂質は生体膜の構成成分として,あるいは脂肪組織内のエネルギー貯蔵体として,ヒトの体内に普遍的に存在する。脂質の代謝回転速度はその化学的形態で大きく異なるが5),比較的代謝回転の遅い生体膜リン脂質であるアミノリン脂質(ホスファチジルエタノールアミン;PE,図1)が,グリケーションを受けていても不思議ではない。
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