#総合診療
#書評:糖尿病診療に活かすコーチング—なぜそのとき行動変容が起こったのか?
中西 修平
1
1川崎医大病院・糖尿病・代謝・内分泌内科学
pp.1161
発行日 2026年10月15日
Published Date 2026/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360101161
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日本の糖尿病医療学を牽引する石井均先生は、「医学はサイエンスであるが、診療はアートである」と説く。ガイドラインという普遍的で冷徹な「サイエンス」を、複雑な事情を抱えるたった一人の患者の生活へいかに落とし込むか。そこにこそ医療者の創造性たる「アート」が問われる。本書『糖尿病診療に活かすコーチング』は、その職人芸を日々の診察室で体現するための、極めて実践的な技法書である。
糖尿病診療における最大の障壁は、正論を伝えるだけでは行動変容が起きないという現実だ。実際の臨床では、「食事を変えたいが、仕事のストレスで食べてしまう」という葛藤(両価性)を抱えた患者が多い。その根底には、個人の意志の弱さではなく、労働環境や経済的困窮といった複雑な生活背景や、医療者に対する心理的ハードルが複雑に絡み合っている。

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