特集 今知っておきたい認知症診療—専門医×プライマリ・ケア医で築くこれからの現場力
【All about Dementia】
マネジメント総論
認知症ケアの最前線—Society 5.0時代におけるパーソン・センタード・ケアの実装
山川 みやえ
1,2
1大阪大学大学院医学系研究科 老年看護研究室
2公益財団法人 浅香山病院
キーワード:
BPSD
,
パーソン・センタード・ケア
,
非薬物療法
,
ICT
,
多職種協働
Keyword:
BPSD
,
パーソン・センタード・ケア
,
非薬物療法
,
ICT
,
多職種協働
pp.748-750
発行日 2026年7月15日
Published Date 2026/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510360070748
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認知症に伴う行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)は、臨床ではしばしば「問題行動」として扱われる。しかしBPSDは生活を阻害する症状であると同時に、患者の不安や苦痛の表れでもある。認知機能低下により状況理解が困難になると、恐怖や混乱が拒否や興奮として現れる。したがって、BPSDへの対応は抑制ではなく理解から始める必要がある。
認知症ケアでは、症状のみを切り取らず、その人の生活歴、健康状態、性格傾向、環境、疾患特性を含めて捉えることが重要である。この視点の理論的基盤が、Tom Kitwoodの提唱したパーソン・センタード・ケアである1)。Kitwoodは認知症のある人を神経変性疾患の患者としてのみではなく、「関係性のなかで生きる人」として捉え、尊厳やその人らしさ(personhood)を守ることをケアの中心に据えた1)。

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