特集 シモジモの悩み
【各論】
⓮精巣上体炎(副睾丸炎)
沖 貴士
1
1おき泌尿器科クリニック
キーワード:
陰部痛
,
陰囊腫脹
,
片側
,
発熱
,
精巣挙筋反射
Keyword:
陰部痛
,
陰囊腫脹
,
片側
,
発熱
,
精巣挙筋反射
pp.1290-1293
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350111290
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CASE
患者:28歳男性
主訴:左陰囊の腫れと痛み
既往歴:なし
現病歴:2日前より左陰囊の違和感と軽い痛みを自覚し、昨日から急に腫脹と熱感が強くなり、歩行時にも痛みが出現した。発熱(37.6℃)があり、来院した。
問診では排尿時痛を認め、性交渉歴を認めた(2週間前、コンドーム未使用)。同様の症状は初めてとのことであった。
来院時バイタルサイン:体温37.6℃、血圧122/72mmHg、脈拍98回/分、呼吸数16回/分、SpO2 98%
診察室での身体所見:左陰囊が腫脹、発赤、圧痛を認め、精巣上体部に限局した腫大・圧痛を認めた。Prehn徴候 陽性であり、精巣挙筋反射も認めた。
施行した検査:
尿定性:白血球(+)、亜硝酸塩(-)
尿沈渣:白血球20〜29個/HPF、細菌像なし、赤血球を少数認めた。
尿淋菌クラミジアPCR検査:数日後、淋菌陰性、クラミジア陽性の結果であった。
血液検査:WBC 11,500/μL、CRP 4.8mg/dL
陰囊超音波:精巣上体の腫大を認め、同部位の血流増加を認めた。精巣実質の血流は保たれており、精巣捻転は否定的であった。

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