特集 シマから学ぶ、プライマリ・ケアの未来—いざ、素晴らしき離島医療の世界へ
【これからの離島医療の話をしよう】
❷島医者は島が育てる—(3)ヨコのつながりで育てる島医療
中山 俊
1
1アンター株式会社
pp.652
発行日 2025年6月15日
Published Date 2025/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350060652
- 有料閲覧
- 文献概要
奄美大島で生まれた私は、離島ならではの医療環境に触れてきた。学生時代、実際に離島医療の現場を見学する機会があり、限られた資源の中で最適な医療を提供しながら地域に寄り添う医師の姿に深い感銘を受けたことを覚えている。
東京の大規模病院で研修医として働き始めると、「離島のような条件下で、自分は1人で診療を担えるのだろうか」という不安があった。しかし同時に、地理的距離を超えて医師同士がつながり、互いに相談・情報共有を行える仕組みがあれば、どこにいても学び合い、医師として成長できるのではないかと考えるようになった。そうすることで、離島やへき地での診療のハードルも下げられるのではないかと思ったのだ。こうした思いをきっかけに、医師間の情報共有サービス「Antaa Slide」「Antaa QA」などを立ち上げた。
Copyright © 2025, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.