特集 —初診・救急外来で出合う—精神疾患と間違えやすい内科疾患
扉
田宗 秀隆
1
,
山中 克郎
2,3
1順天堂大学医学部精神医学講座
2諏訪中央病院総合診療科
3諏訪中央病院救急・集中治療科
pp.242-243
発行日 2025年3月15日
Published Date 2025/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350030242
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興奮して大暴れしている高齢男性が、家族に連れられて救急室を受診しました。興奮がひどく、本人から話を聞くことができませんでした。何とか鎮静し検査を進めたところ、自己免疫性脳症である可能性が高くなり、すぐに入院治療が開始されました。数日後、心配になり病室を訪れると、ニコニコして全く普通の精神状態に戻っていました。
救急室では同時にたくさんの患者の診療が行われていて、ゆっくり診療する時間がありません。検査できる項目も限られています。正直に申し上げると、精神疾患を疑う患者が来院した時、一刻も早く救急室から出て行ってもらおうというネガティブな(GOMER:Get out of my emergency room)感情をいだいた経験が私にはあります。しかし、そのような時にこそ、ヘルペス脳炎やビタミン欠乏症、薬物中毒など、治療可能な内科疾患を想起し、迅速に診断を進める必要があります。
本特集では、精神症状を呈して来院する内科疾患の鑑別方法と治療について解説します。

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